オーロラ号に乗って。
ここからSNS類の更新や交流を少なめにしたいという話をする。わたしの作品をお待ちくださってるひと握りの方々にとってはむしろ喜ばしい話ではないだろうか
2020年。初っ端からインフルエンザで命の蝋燭の芯を大幅に削ってしまった。たった1週間の40度の高熱で向こう数年分ぐらいの基礎体力、気力全て削られた。こうなってしまうとほんとに何をやっても必ずどこかを壊す。
ずっとこの記事の状態だったところへ、病床では漫画は描けないって言い訳も立つというとどめが刺された。実際《安静に横になって》《なるべく患部を動かさないように》という指定が手を変え品を変え数か月単位で来る。漫画は大量のMPとHPを消耗する。言い訳ばかりだけでもないとは思うけど、休みやすさはあった。
ここへ来てわたしの時間がすっかり止まってしまった。しかしここで無理したら一生漫画を描かなくなるだろう。
作品の完成を根気強くサポートくださっていた担当さんにも申し訳なくて、事情を話して、作品が出来上がったら連絡します。と約束をして、一旦保留にさせてもらった。
そんな中、ベッドの中で少しずつ短編や詩を書いて、ちょっとのいいねをもらうと、土気色の顔で寝込んでいただけだった日も、きらきらしてるひとでいられた。
蠍の火。
少しずつでも物語をかいて誰かが読めるところにアップしていくことは物語作りの体力も育つし、素晴らしいことだ。────だけどわたしにとって創作とは金を稼ぐ道具なのだ。そしていままでこのスタンスで、創作物がダメになることもほぼなかった。
もちろんわたしの全ての創作物が金に変換出来てるか、というと違う。が、獲りに行こうとしないと続けていけない。創作だけは死ぬ間際まで続けたい。この数年獲りにいく創作がやれてない、わたしにとってこれはとてもしんどい。
誤解のないよう補足しておくと、勿論かいてて楽しい。自分が一秒先になにを思いつくか予測出来ないのが楽しい。萌えを全て叩き込めるのも楽しい。かけば自分の物語が読めるのが楽しい。しかしそれとこれとは別なのだ。
さて、しんどい話は大幅に端折ってかく。
今年の6月のことである。長く悪くしていた足についに完治の診断が下った。「あなたはこれからリハビリにも通って、体力を少しずつでも回復して、また歩き出さないとね」と。
動作の初めにストレッチをすることで、怪我の確率が下げられることも知った。理屈ではわかっていたことだけど、やっと身にしみて理解した。毎日公園で自主トレをしている。しんどい時はフィットボクシング2(このゲームとても良いです)で13分だけ運動する。この生活を続けて2か月が経った。
ヒロくん推し。(cv石田彰)
基礎値があまりにも低いからか、まだあまり体力はついてないけど、もう行動に制限がかかってないのだと思うと身体を動かすのは、楽しかった。
理学療法士に教えてもらった通りにきっちり準備体操して暮らすと、また壊れるのでは…とびくびくしなくても、それなりのひととして生活出来るみたいだ。
《びくびくしなくても》というところにわたしの劣等感が渦巻いていて、もしかして今度こそ健康になれるかもしれない。というのは新たな光だった。わたしは生まれてこの方健康だったことなんかなかったから。
日記ブログの7月前半号、7月15日分でこんな話をした。母にオーロラ旅行をプレゼントしたいという話だ。
ナイアガラの滝とオーロラツアーは両親2人の夢として子どもの頃から語られていて、わたしは漫画で稼いだら、両親が行きたいところに行かせてやれるだろうって唱えながら大人になった。
全然うまくやれてないのは、近年のわたしの様子を見ていてもわかることかと思う。
ある日父からこんなことを言われた。
「お父さんたちももう歳だ。遠出はしんどい。海外旅行は無理だろう。だからもういいんだよ」 果たせなかったと思うと情けなくて涙が出た。もうすっかり両親は諦めてしまったのだとしょぼくれて数年経った。
そこで母のオーロラの話を聞いた。──まだ行きたいと思っているのであれば、行けるはずだ。夢をみれるうちは掴みに行ける。
というわけで、まずは旅行会社にアポをとって、必要な費用などを聞いてきた。聞くだけはタダなのである。こういうのは5w1hを頭の中にガッツリ揃えると、叶いやすい。夢というのは具体的にみるものだ。
というわけで、まずは旅行会社にアポをとって、必要な費用などを聞いてきた。聞くだけはタダなのである。こういうのは5w1hを頭の中にガッツリ揃えると、叶いやすい。夢というのは具体的にみるものだ。
まず治安的な理由でアラスカではなく、フィンランドを選択。
今はコロナの関係でどこの旅行会社でもパックツアーみたいなのは休止してるそうで、パンデミックが収まったとしても、例えば現地のガイドが廃業してて少ないとか、制限がかかった状態で少しずつツアーが組まれることが予測される。
従来のツアーの費用はフィンランド8日間として、信頼出来る日本の航空会社の往復チケット込みでひとり37万ぐらい。思っていたよりは安い。ツアー参加費+チケット代が別途必要と思い込んでいたのだ。
そしてここから情勢によって上下する。
ガイドを雇ってホテルだけ押さえる方法もあるけど、ツアーよりだいぶ割高になるそうだ。何故かというと、ガイドを同行させると、滞在中、ガイドの衣食住の料金を受け持たないといけなくなるからだ。交通機関だけ案内させる方法もあるけど、旅行慣れしてないのであれば、ツアーの方がいいとのこと。
コロナでパンフレットも刷ってないそうだ。コピーをいただいた。
場合によっては、ツアー以外の方法で連れていくことになるとしても、最低100万はいる。逆にいえば100万稼げばオーロラを探しに冒険に行けるのだ。
──漫画を描こう。
唯一わたしが金に変換出来るスキルだからだ。実はのろのろと漫画を描き進めていて、100ページぐらいの、我ながら超面白い叩き台が描き上がっている状態なんである。直しはあと2話分で終わり。こちらでは細かく語れないが目算はある。
わたしは何年も動き出せなかったけど、諦めたことはなかった。だってわたしの物語は誰が何と言おうと面白いから。
母をオーロラの下に連れていく金を稼ごうと思う。
こういうのはやれるかやれないかではない。やりたいかやりたくないかだ。無理だと思ったらそれまでなのだ。出来なかったことの話はまたあとで考えればいい。活路はどこかに伸びているものだ。
母の年齢的な問題もある。時間がないな。と思った。交流やシェアで使っている大量の時間を全部ふるしかない。
わたしは一度に二つの事が出来ない。ほんとうに出来ない。そしてワンアクションに異常に時間がかかる。何にこんなに時間がかかってるのか本人もわからない。
逆にひとつのことをずっとやってていい。と言われると得意なことに翼が生えたようにやれるのに。こういう作家さんは山ほどいる。度合いこそ違えど専門バカというのはだいたいこんな感じだ。
ちなみに仕上がった自分の作品(ラジオとかも)をTwitterにシェアして誘導するだけでも何時間も考え込んでしまっていたりする。何故こんなに遅いのだろう。あんなに誘導文も短いのに…。
今はWebから上がって行ける方法もある。それが出来るのであればそっちの方がいい。どこにチャンスが転がっているかは分からない。正解はコミュニティごと、住人の性質、作家の資質によってそれぞれ違う。わたしに関しては、多分描いて賞にでも出した方が早い。
やることを絞らないといけない。 この決断に数週間かかった。Webにいる時間を大幅に削ろうと思う。試しに削ってみると思ってたより爽快だった。
先の事はわからない。
けど、もうそろそろ歩き出そう。
***今後の更新などのお話***
生存確認出来るツールをいくつか残しておきます。アカウントを消すことはしませんし、たまに帰ってくると思いますが、Twitter等に更新のお知らせがこなくなります。読みに来てくださる方は誘導しようがしまいが来てくださる(ありがとうございます!)ので、現状ではあまり結果は変わらないと思うので。
●ブログ→もしかしてブログの方に近況更新がくるかもしれません。報告内容によってはシェアします。
●作品→告知無しで賞に出す作品をさげたりするかもしれないですが、基本的に消しません。
【追記】ミカダさん下げ終わりました。なんでもっと早く下げなかったのかなぁ。
●note→更新のお知らせがなくなるので、事実上死に垢になってしまいます。
もしかしてこちらでたまに体力づくりの独り言は呟くかも。
●ラジオトーク→作画のモチベアップ要素もあるし、これは故郷の友人も聴いてくれてるので更新します。
radiotalk.jpもし応援くださる方がいらっしゃいましたら、ラジオトークの方に直接いいねをお願いします。上京して最初の一年のラジオはいくつか残して削除対応すると思います。ランダムでかかると苦しかった思い出が蘇って死ぬ。つらくて死ぬ。
●インスタグラム→更新します。インスタだけは秒でアップ出来る。あってるなぁと思う。インスタ垢を取得されてる読者さまは、インスタに直接いいねを下さるとうれしい。
こんなのいちいち宣言してやることでもないと思うんですが、webの露出が一気に減ると人によっては消息不明になってしまうので…。わたしは心配かけたいわけでもなければ、消えてしまいたいわけでもないので、このような告知に至りました。
give and takeでいう、give《与える》を削る行為なので、ここで縁が切れてしまう方もいらっしゃるでしょう、しかしそれもしょうがないことだと思っています。わたしの本来のgiveは、物語を描いて読者にちょっとの安らぎや癒しを届けるということだとも思っていますので。
*追記*
「お母さんと女二人旅でオーロラを探しにいく」と父にも電話をかけた。
父こそすっかり諦めてしまっていると思っていたら「37万だせばいけるのであれば、俺の分は出すからついていっていいか…」だそうで、ここへきて百合(????)の間に挟まる男参上である。
お父さんがあんな風に言うから…!とも思ったがきっとわたしがいつまでも海外旅行のカの字も贈れなくて、気にしていることを知った上での言葉だったのだろう。
それであれば、わたしはお金を稼ぐだけにするから、夫婦水入らずで行っておいでよ。と再提案するも「海外とかわけわからんから、目端が利くお前みたいなのが混ざっててほしい…」だそうだ。
母にそのことを伝えたら
「お母さん、あんたと二人で行きたいわ~」
男親の肩身の狭さが一瞬で見て取れるエピソードだ。嗚咽してしまう。
「お父さんはお母さんとオーロラが見たいんだよ」
「お母さんファンクラブ会員NO.1なんだからさ…」
可哀想になって説得してしまった。
冬のフィンランドは極寒だ。どうか出来るだけ体力をつけておいてくれ、という約束をして電話を切った。
3人でオーロラ号に乗って冒険に行こう。
リアルで交流がある方は、今まで通りなのでよろしくお願いします。LINEやDMで打合せして、たまにはスケッチにでも行きましょう。
▼この記事を書いた船長▼
やっと録った。作画中実況とともにこの記事をあげようと決めていた。