【メイキング】本のアプリstand_2015年ベスト30冊バナーイラストが出来るまで。
メリークリスマス。今日は皆さん、家でおとなしく読書の日ですよね（ですよね？！）私も１ユーザーとして楽しんでいます、本のアプリstandですが。
もっと広まればいい。と思うような良アプリで、イラストレーターとして携わらせていただけて、光栄だったりします。前回のメイキング記事が大変好評でしたので、今回もメイキングですー。
今年も残るところあと2週間。2015年、本のアプリStandで話題になった30冊をまとめました。文芸・コミック・社会・暮らしの4カテゴリに分けて紹介します。 https://t.co/rMy3FzvAl2 pic.twitter.com/QGtv1uLBCt
— 本のアプリStand (@standbk) 2015, 12月 16
↑このバナーイラストが出来上がるまでの工程を説明していきますー。
今回の本のアプリstandさまからの指定はこちら。
今年のまとめなので、年末のゆったりした非日常感が出ていると理想です。あとは、冬の季節感でしょうか。舞台も暖炉と山小屋と本なので、本好きには夢のような場所ですが、そんな雰囲気も出ていればと思います。
あとは、文良くんと栞ちゃん（イラスト中に出てくる男の子と女の子の名前です）が穏やかな感じでお話してる風でお願いします。とのことで
ラフですー。
出来るだけ描き込んだもので提案。
立ちポーズ案。
よく文学論などで、あーでもないこうでもないと大討論になってしまう文学部３年文良先輩と２年生栞ちゃんという設定なので、なかなか普通に笑ってくれません。栞ちゃんがやや強気な感じになってしまいます。
座りポーズ案。
座りポーズで一旦通ったので、途中まで描き込んでいったんですが、山小屋というより個人の図書館みたいだなぁと思い、話し合ってボツ。
山小屋に猫がいると普通の部屋と勘違いする方もいたので、この辺から猫が消えて、オコジョが出てきます。オコジョに見えるんですかね、これは。。
今回丸太小屋に薪ストーブを設置する場合のディティール資料がどうしても見つからず、板張りの小屋にしてあります。
小屋の補強箇所どうしようかなーと悩みつつ身長スペック表などもちょこちょこと。私にしては珍しく、Ｏ型男子とＢ型女子ですよ－！
泣き顔案もあったんですが、表情ボツ。
ここで「この部屋で椅子に座ってないのが不自然なので、ソファに座らせてほしい」という指定が入り、ごにょごにょして、描き直し。私は椅子があっても床に座る派なのでだいぶ食い下がったんですけどねーー。でも結果的によくなったと思います。
本番で文良くんの顔を直します、とお約束して、やっとペンです。
ペン→塗り。
オコジョ…？
今回は（※今回も）塗りレイヤ1枚で塗っていきます。最初に全体に薄黄色をベタ塗りしてこれに他の色を上から混色して行きます。
ナビゲーター画面、雑に配色決定する時、すごく便利だと思います。
同系色のダンゴみたいな画面なので、挿し色をあちこちに挟んでいきます。栞ちゃんのひざかけが気に入らないなー。
だいたい目がキャラクターの方に行くように調整できましたので、
これから楽しいディティールの描き込みの時間です。
あったかいディティールの小物かぁ、とあれこれ考えを巡らせてると、まず食べ物やお鍋が浮かびましたので、必死で鍋を描く。楽しいなー。
火箸とミトンも。
山小屋とかにおいてあるダウンのルームシューズ。
そういえばですが、今回２つ夢がかなっています。
１つはこの本棚を描くこと。
いつか描きたいなーと思ってずっと資料を手放せなかった本棚だったので、嬉しいです。私が描くと何故か非常に雑な感じになってしまって申し訳ないんですが…。本物はクラシカルで格調高い感じのガラス戸付き書棚ですよー。
もう一つは、ハイジに出てくる黒パンとチーズを描けたこと。
宮崎アニメで一番真似して描きたい食べ物だったので、ほんとに夢がかないました。こいつらが飲んでるのはヤギの乳ですからね！
本の表紙を描き込もう！
今回、2015年standベスト30冊のバナーとのことで、本がいっぱい描ける！と私は受注から心躍らせていました。本が積んである風景を描くのは、子供のころから好きでしたので、standさまのお仕事とは相性がいいなと思います。
「それはいいですね」というご返答で、Standの方と打ち合わせして、３０冊の中から5冊ほど絞って、あとは描きやすい表紙のものを私が適当にチョイスして描きこむことになりました。
帯も似せよう！
「21世紀の資本」鈍器サイズの本ですよー。白くてざらっとした紙質の大きめの帯がついてるようです。帯の字が小さすぎて全部入れたらわけわかんなくなるなーと思ったので「5000円もする」という帯にしました。どうせ形合わせて貼り直したら小さすぎて見えませんから。。
帯の資料として参考にしたサイトはこちら！ありがとうございました。
こんな感じで打ち合わせで決めた5冊の本は、一応帯を全部調べてから、描けそうなところだけ使うような感じで描きこんでます。「火星の人」の帯が何パターンもひっかかってどれにしようか悩みましたー。
拡大したら見えますかね？絵の中に登場してる本、テキストでも列記しておきます。お持ちの方は装丁を探して遊んでみてくださいね。
「火星の人」アンディ・ウィアー著（本のアプリ開発者さんイチオシ！）
「火花」 又吉直樹著
「君の膵臓をたべたい」 住野よる著
「NOVEL 11, BOOK 18」 ダーグ・ソールスター著 村上春樹訳
「ダンジョン飯」 九井諒子著（仕事終わったら読みます！）
「かくかくしかじか」 東村アキコ著
「21世紀の資本」トマ・ピケティ著
「イスラーム国の衝撃」 池内恵著
「フランス人は10着しか服を持たない」ジェニファー・L・スコット著
※敬称略
個人的に「イスラーム国の衝撃」の帯は描きこんでて楽しかったです。あと岩波文庫の縦長い本の形とかシンプルな装丁がなんか好きで。。
仕上げ。
オーバレイを7０%ぐらいでかぶせて
さらに発光フィルタを上からかぶせます。
出来上がり！
いかがでしたでしょうか？
今回私の中の「楽しい。やってみたい。憧れる」をすべて突っ込ませていただきました。どなたかの胸を打てていたらいいなと思います。
絵の中に描けなかったですが「なぜ、この人と話をすると楽になるのか」吉田尚記著は面白かったです。コミュニケーションの技術論っていう切り口が新しいなぁと。あと、内容が愛情あふれてて、文章的にも読みやすいので、読んでても楽になります。おすすめ！
本のアプリstandさん入魂のレビューはこちらになります。もっといっぱい載ってますよ！→本のアプリStand 2015年もっとも話題になった本30冊まとめ
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